ディーラー vs 専門店|カーコーティングの違いと後悔しない選び方

結論から言うと、ディーラーのコーティングと専門店のコーティングで同じ金額を払った場合、専門店の方が確実に満足度は高くなります。理由は、ディーラーでは中間マージンが発生しているためです。

本記事では、ディーラーと専門店の違いを比較表と実体験で解説します。

目次

ディーラー vs 専門店|結論は「同じ金額なら専門店が満足度が高い」

ディーラー・チェーン店・専門店の違いを比較。施工環境・作業時間・下地処理・価格・費用対効果の5項目で一目で分かります。専門店は価格は高めですが、費用対効果は最も高いです。

まずは読者が一目で比較しやすいように、3つの選択肢を表で整理します。

ディーラーチェーン店専門店
施工環境整備場など
密閉されていない場所
屋内だがお店により
環境差がある
密閉ブース・ライティング
温湿度管理など
作業時間2〜5時間数時間〜1日3〜6日間
下地処理最小限(洗車→脱脂)キーパーは研磨なし研磨レベルまで最適化
仕上がりムラなし重視効率・均一性重視美観・平滑性を最大化
耐久年数短め〜普通メンテ前提長期維持しやすい
価格5〜15万円3〜12万円10〜25万円前後
費用対効果低~中最も高い

この表を見ると、専門店は価格が高めに見えます。しかし、費用対効果は最も高いです。その理由を次章から詳しく解説します。

なぜ「施工内容を理解せずに選ぶ」と後悔するのか?

ディーラー・チェーン店・専門店の違いを比較したところで、気になるのは「実際に専門店で施工する場合、どんな工程で進むのか?」という点ではないでしょうか。

実は、専門店の施工工程は店舗によって大きく異なり、その違いが仕上がりの質に直結します。下地処理の有無、研磨の精度、コーティング剤の塗布方法など、工程の一つ一つが最終的な仕上がりに影響を与えるのです。

専門店を選ぶとき、何を基準にすればいいですか?

専門店選びは「何を塗るか」より「どう塗るか」が大事。同じコーティング剤でも、施工工程の違いで仕上がり・耐久性は大きく変わります。自分の使い方に合う工程を知ることが、後悔しない選び方の第一歩です。

「自分の使い方に合うのはどれか?」を判断するには、施工工程の違いを知っておく必要があります。当店では10年以上の施工実績を基に、プレミアム-Zero・コズミック-Hybrid・セラ-Fixそれぞれの被膜の種類、塗り重ね数、膜厚、硬さ、被膜維持期間、撥水特性を具体的な数値とともに解説しています。それぞれ向いている使い方も異なるため、施工工程を理解することが重要です。

料金差の理由は「下地処理・施工環境・作業時間」の3つ

コーティングの価格差は、材料の種類だけで決まりません。下地処理の深さ、施工環境、作業時間の3要素で決まります。この3つが揃うほど、仕上がりと耐久性は大きく変わります。

同じコーティング名でも中身は違う

ディーラーでも専門店でも、「ガラスコーティング」「セラミックコーティング」という名前は似ています。しかし、使っている溶剤も工程も異なります。

コーティングの種類については、ガラスコーティングとセラミックコーティングの違いについても詳しく解説しています。

仕上がりを決めるのは施工プロセス

仕上がりと持続性を決めるのは、コーティング剤そのものよりも施工プロセスです。具体的には以下の3点です。

  • どこまで下地処理をやったか
  • どんな環境で塗布・乾燥させたか
  • 何時間かけて定着管理を行ったか

つまり、同じ名前のコーティングでも、この3要素が異なれば仕上がりは大きく変わります。

ディーラーは「10万円払ってもわずか2~3万円分の仕事しかされない」

実際にディーラーの下請け経験がある視点から、事実に基づいて説明します。筆者が2013年ごろにディーラーの下請けとして作業していた経験を基に、料金のからくりを公開します。ディーラーでは、お客様が10万円払っても、実際に下請けに入るのは1~2割程度です。この中間マージン構造が、品質差の根本原因です。

施工する人が固定されない

ディーラーでは、サービスマン、メカニック、外注業者(下請け)など、誰が施工するかは固定されていません。筆者が下請けとして作業していた際も、ディーラーは様々な人に作業をさせていました。

技術レベルが揃わず、仕上がりの品質にムラが出る最大の原因になっています。

2液硬化型コーティング剤(手直しがきくがスペックが低い)

ディーラーでよく使用されているのは2液性硬化型コーティング剤です。1の液剤と2の液剤を混ぜ合わせて使用するタイプです。

メリットは、施工性が良いことです。つまり、塗りやすい・拭きやすい・仕上がりやすい、ということです。もっと平たく言うと、「誰がやってもトラブルが起きにくい、簡単な液剤」です。

なぜディーラーはそのような液剤を使用するかというと、不特定多数の人に作業をさせることが前提だからです。可能な限り施工が簡単なものにすることで、トラブルが発生しないようにしたいがためです。

裏を返せば、膜厚も厚くならない、硬さもそんなに出ない、密着度もそんなに高くない、「利用する側にとっては、そんなにスペックが高くないコーティング剤」と言い換えることができます。

ちなみに、専門店が使用しているのは1液硬化型コーティング剤です。中には1本50mlしか入っていないのにウン万円もする、高価なものもあります。

専門店が使用するコーティング剤は、失敗が絶対に許されないとても危険な溶剤です。一度固まってしまったら容易には除去できない硬さ、厚み、密着度になります。

お恥ずかしい話ですが、コーティング中にコーティング液のしぶきがバンパーの一部に飛んでしまい、それを見落として乾かしてしまったことがありました。すぐに除去作業に取り掛かったのですが、結果何をしても除去できませんでした。それぐらい施工が超難しいコーティング剤を使用しています。

だから専門店では、コーティングの施工環境に徹底的にこだわる必要があるのです。隅々まで完璧に見えるように、そして乾燥させるにあたって温度と湿度を管理できるようにしています。

料金のからくり(中間マージン構造)

筆者が下請けをしていたころ(2013年ごろ)の、料金のカラクリです。

例1:S社

  • お客様がディーラーに支払うコーティング代:86,400円
  • ディーラーが下請けに支払う金額:18,900円

例2:G社

  • お客様がディーラーに支払うコーティング代:108,000円
  • ディーラーが下請けに支払う金額:12,960円

え???と思われますでしょう?そうなんです、ほとんどがディーラーさんのマージンで抜かれてしまうんです。

単純に言ってしまうと、お客様は10万円近くのコーティングをしたつもりでいるのに、実際は1〜2万円分の仕事しかしてもらえていない、ということなんです。

【結論!】同じ88,000円を払うなら、専門店に払えば丸々88,000円分の仕事をしてくれます!その違いは圧倒的な差になります。

例えば、下地処理に使う時間。専門店では下地処理に非常にこだわって時間を使っています。また、コーティング剤や使用するクロス、下地処理に使用する各ケミカルなど材料にもしっかりお金をかけています。

ディーラーのガラスコーティングの実態については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

チェーン店(キーパーなど)は「定期的なメンテが必須の仕組み」

チェーン店の最大の特徴は、「定期的なメンテナンスが必須の仕組み」です。トップ被膜を1年に1回剥がして再塗布することで美しさをキープさせます。専門店は「定期的なメンテナンスができるだけ不要な仕組み」を目指しています。

各お店の奥深い内情まで知ることは出来ませんので、あくまでも当社がいろいろな方からお聞きした情報や、実際にチェーン店で施工したお車を見たり触ったりした結果としての考えをまとめさせていただいています。

美観維持へのアプローチの違い

キーパーさんが美観維持のために勧めていることは、ダメージを受けるトップ被膜の定期的な塗り替えです。「トップ被膜に柔らかさ・しなやかさを持たせて、塗装にダメージを与えるもの(汚れや鉄粉・固着物など)を被膜に受け止めさせる。その被膜を1年に1回メンテナンスの際に剥がすことで被膜が受け止めた様々なダメージ物をキレイに取り除き、再度トップ被膜を乗せ直すことにより美しさをキープさせる」という考え方です。

要するに、「定期的なメンテナンスが絶対に必須となる仕組み」です。

それに比べ、専門店が美観維持のためにコーティングに求めるものは、超長期で美しさを維持できる厚く強固な被膜です。「トップ被膜をできる限り硬度の高いものにすることで、被膜が受けるダメージをできる限り減らし、メンテナンスを定期的に受けていただかなくても良いようにする。それによってお客様にできるだけ無駄なお金を使わせないようにしながら、超長期で美観維持が出来るような仕組み」を目指しています。

要するに、「定期的なメンテナンスがいらない、出来ればノーメンテナンスで美観が維持できる仕組み」です。

誰が施工するかが見えない

コーティングの効果は、施工の技術によって効果に差が出ます。コーティング剤は”食材”と同じ。どれだけ鮮度の良い高級な食材でも、それを生かすか殺すかは料理人の腕次第です。

一つの商品に特化した専門店だからこそ、現場の職人が継続的に、その商品の経験と知識を得続けることができます。そして職人の技術力と理解力、応用力が日々成長・日々進化することによって、コーティング剤本来の力を引き出すことが出来るようになるのです。

いくら高価なコーティング剤を使っても、使い方が悪ければ効果は発揮されませんし、美しく仕上がりもしません。

要するに、大手チェーン店さんの最大のデメリットは、「誰が施工をするのか?が見えない」ことだと思います。

作業時間が短い(数時間〜2〜3日)

チェーン店は、様々なコストと闘っておられます。例えばフランチャイズ料だったり、広告料だったり、これらが自分たちの意思や経営状況などに関係なく徴収されていると思います。ですので、どうしても売上優先・利益優先の運営をせざるを得ないと思います。

専門店のコーティングでは、メニューにもよりますが、作業に平均5〜6日ほどかけます。専門店として隅々まで丁寧に触ると、これぐらいの時間は絶対にかかるんです。

キーパーさんのメニューですと、わずか数時間で完了するメニューもあります。全コーティングメニューの平均でも2〜3日ほどで終わってしまうものがほとんどのようです。

専門店は、以前からこだわり続けている「お車を徹底的に隅々まで丁寧に見る・触る」を継続しています。1台のコーティングに約1週間もかけるのは、非効率だと馬鹿にする人もいるかもしれません。でも、その非効率の中にこそ本来求めるべき結果があるのではないか?と専門店では考えています。

キーパーコーティングと専門店の違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

専門店が選ばれる理由は「施工プロセスの深さ」

専門店が選ばれる理由は、施工プロセスの深さです。専用ブース・温湿度管理、下地処理(研磨)のレベル、1台に5〜6日かける理由。この3つが揃うことで、長期的な美観コスパが圧倒的に高くなります。

ここまで読むと「専門店が丁寧なのは分かるけど…実際どう違うの?」という疑問が出てきます。専門店が選ばれる理由は、施工プロセスの深さです。

専用ブース × 温湿度管理

コーティングは温度・湿度・風の影響を受けやすい繊細な作業。密閉ブースがあるだけで仕上がりは大きく変わります。

筆者が某ディーラー(S社)の下請けで作業をさせていただいていたころは、屋根だけがあって周囲は壁もない場所で「洗車して、簡単に磨いて、コーティング剤塗ってください」と言われました。最高級メーカーのL社でも、軒下のスペースに車を置かれ「ここでやってください」と。そんな環境で、どうやって良い仕事をしろというんですか?

下地処理(研磨)のレベルが桁違い

専門店では、塗装の状態を見て軽研磨、肌調整研磨、鏡面研磨と工程を細かく使い分けます。この「下地処理」の精度こそ、仕上がりの艶と耐久性の差になります。

1台に5〜6日かける理由

コーティング剤を「塗って終わり」ではありません。十分な乾燥・硬化・定着させる時間が必要です。

結果的に何年も維持できる”長期的な美観コスパ”が圧倒的に高いからです。

コーティング剤の効果を徹底的に引き出す!専門店はそこに常に挑戦し続けていきます。

専門店視点の結論|この条件なら専門店を選ぶと失敗しない

ディーラーは悪いわけではありませんが、構造上の制約があります。作業環境の制約、下地処理の簡略化、中間マージンが発生、施工者が固定されない、2液硬化型コーティング剤という点で、どうしても品質に差が出やすい仕組みです。同じ金額を払うなら、施工者が明確で環境の整った専門店に支払う方が、得られる品質は圧倒的に高いです。

同じ10万円なら、施工者が明確で環境の整った専門店に支払う方が、得られる品質は圧倒的に高い。

専門店が向いている人

  • 丁寧な仕事を受けたい
  • 長くキレイを維持したい
  • 施工内容を理解したい
  • メンテナンスの頻度を減らしたい

ディーラー・チェーン店が向いている人

  • とにかく安く済ませたい
  • 短時間で完了したい
  • 定期的なメンテナンスも厭わない

「丁寧な仕事を受けたい」「長くキレイを維持したい」という方には、専門店が必ずご満足いただける体制を整えています。

まとめ

ディーラー・チェーン店・専門店の違いを比較すると、専門店は価格は高めですが、費用対効果は最も高いです。同じ金額を払うなら、施工者が明確で環境の整った専門店に支払う方が、得られる品質は圧倒的に高いです。

専門店を選ぶ際は、実績と信頼性が重要です。当店では10年以上の施工実績を基に、プレミアム-Zero・コズミック-Hybrid・セラ-Fixそれぞれの被膜の種類、塗り重ね数、膜厚、硬さ、被膜維持期間、撥水特性を具体的な数値とともに解説しています。それぞれ向いている使い方も異なるため、施工工程を理解することが重要です。

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この記事を書いているディテーリング専門店について

当ブログは、愛知県名古屋市のカーコーティング・プロテクションフィルム専門店スタートラストが、実際の施工現場の経験をもとに運営しています。

「うちの車だといくらぐらい?」「このメニューで合っているのかな?」といったもう一歩踏み込んだ部分の情報は、公式サイトに詳しくまとめています。

  • 車種別・メニュー別の施工料金表
  • これまでの施工事例ギャラリー(ビフォーアフター写真)
  • メール・LINE・お電話でのご相談

「失敗したくないから、ちゃんとしたお店に相談したい」という方は、まずは料金施工例を公式サイトでチェックしてみてください。メールやLINE、お電話でのお問い合わせもお気軽にください。

この記事を書いた人

竹村 隆行のアバター 竹村 隆行 代表社員

カーディテーリング専門店スタートラストの代表として活動させていただいております。

コーティングにはじまりプロテクションフィルムやリペア、クリーニングなどお車の美観に関するサービスを提供しながら地域の皆様のお役に立てるよう日々奮闘中です。

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