「プロテクションフィルムの口コミを見ると、トラブルが多いみたいだけど、本当なの?」
「失敗しない施工店を選ぶには、どこをチェックすればいいの?」
この記事では、実際に当店に寄せられたご相談をもとにした”リアルなトラブル事例”をご紹介します。ネット上の口コミや噂話ではなく、実際に起こった失敗事例から、「どんなトラブルが起こりやすいのか」「どうすれば回避できるのか」を具体的にお伝えします。
スタートラスト
私たちは、他店さんの施工ミスを責めたり、犯人探しをするためにお車をチェックしているわけではありません。
「今のお車の状態に対して、当店であればどのような解決ができるか」「これ以上傷みを広げないために何ができるか」をお伝えするために、現車を確認させていただいています。
プロテクションフィルムで実際に起きた「とんでもないトラブル」実例
プロテクションフィルムの口コミでよく見かけるトラブルを、実際の事例をもとにご紹介します。
トラブル①:アフターカットによるカッターキズ|ボディーに直線のキズが入ってしまった
【実際の相談内容】
「あるお店でプロテクションフィルムを貼ってもらったのですが、困っているので状態を見てほしい」
経緯を簡単にまとめると、
- ① あるお店でプロテクションフィルムを施工してもらった
- ② 施工後しばらくして不具合が出たため、やり直しなどの相談でお店に連絡
- ③ しかし、待てど暮らせど返信が来ない
- ④ 仕方なく「別のプロテクションフィルム専門店」を探し、当店にご来店
という流れでした。
他店でプロテクションフィルムを施工していた箇所は、
- ヘッドライト
- ドアカップ
- Bピラー/Cピラーのピアノブラックパーツ
とのことでした。一度現車を拝見したい旨をお伝えし、ご来店いただくことになりました。
【発見された問題】まさかの光景
ご来店後、まず問題箇所を確認させていただいたところ、よくありがちな「端の一部が浮いている状態」でした。この程度であれば、単純な貼り直し作業で解決できそうです、とお伝えし、再施工をお受けしました。
ところが、その後フィルム全体の状態を改めてチェックしていると、ある違和感に気づきます。フィルムの端部だったところに、白い線がスーッと見えたのです。
「汚れかな?」
と思い、爪先でそっとなぞってみると、嫌な感触が…。そうです、「キズ」特有の引っかかりが指先に伝わってきました。
嫌な予感がしたため、お客様のご了承をいただき、フィルムをいったん剥がしてみたところ……。

指先に見えていた白いまっすぐな線は、すべてボディー表面に入った線キズでした。他のパーツも同様の状態です。

見事に一直線の線キズになっています。
スマホで見ている方には少し分かりづらいかもしれませんので、キズの箇所に赤丸を入れた画像もご覧ください。


なぜ、このようなキズが入ってしまったのでしょうか?
詳しく知りたい方はこちらのページをご参照ください。
お分かりいただけたでしょうか。今回の線キズはすべて、「アフターカットの際にカッターナイフでボディーまで切り込んでしまった跡」だったのです。
我々の業界では、後からカットする方法を「アフターカット」と呼びますが、その大前提は当然ながら「ボディーに絶対キズを入れないこと」です。
なぜなら、プロテクションフィルムは「ボディーを守るために貼るもの」だからです。貼る作業そのものでキズを入れてしまっては、本末転倒どころか、お客様にとっては大きな損失になってしまいます。
要するに、今回の症状は完全に施工ミスでした。
お客様はその後、根気よく施工店へ連絡を取り続け、ようやく状況を伝えることが出来たそうですが、その施工店は「プロテクションフィルムの施工でカッターキズが入るのはよくあることで、責任を取るような事案ではない」と言い放ったとのことです。( ゚Д゚)
結局、お客様は自費でパーツ交換を行い、その後当店でプロテクションフィルムを貼り直されました。その後のご連絡で、どうしても納得できず、その施工店を相手取って訴訟を起こされたと伺いました。本当に、お気の毒としか言いようがありません……。
【2025年追記】後日談:裁判の結果と、納得できない示談条件
その後、お客様からご連絡をいただき、裁判の結果をお聞きしました。お客様の言い分が通り、施工店側に責任があることが認められたとのことです。一応、法的には解決した形になったようですが、お客様は1点だけどうしても納得できなかったことがあるとおっしゃっていました。
それは、示談の条件として「Googleの口コミに書いた内容を削除すること」が条件になったということです。
たしかにおかしな話ですよね?
口コミは、事実を書くべきところなのに、「事実を書くな」という命令。これでは公平性が保たれません。他のお客様が同じトラブルに遭わないように、口コミで情報を共有することは、消費者として当然の権利です。それを示談の条件として削除を迫るというのは、問題の本質を隠蔽しようとする行為とも言えるのではないでしょうか。
このような事例があるからこそ、お店選びには本当に気を遣ってください。一度トラブルに遭ってしまうと、時間もお金も、そして何より精神的にも大きな負担がかかります。裁判まで発展して、たとえ勝訴したとしても、示談条件として口コミの削除を迫られるような状況は、決して健全とは言えません。
だからこそ、事前にしっかりとお店を選ぶことが、何よりも重要です。この記事でご紹介する回避ポイントを参考に、後悔のない選択をしていただければと思います。
【回避ポイント】
このトラブルを回避するには、以下のポイントをチェックしてください:
- プレカット(コンピューターカット)に対応しているか:車種別データを使ったプレカット施工が可能か確認
- アフターカットのリスク説明があるか:やむを得ずハンドカットが必要な場合、その理由やリスクをきちんと説明してくれるか
- 施工実績や技術レベルが確認できるか:練習用パネルなどで検証しているか、施工実績やテストの話が聞けるか
トラブル②:高額施工なのに不具合対応を拒否|板金修理と併せて一方的に出禁にされた
【実際の相談内容】
「あるお店でプロテクションフィルムを施工してもらった。大変高額な提示だったが、素晴らしいホームページ内容とお店作り、説明などに安心して施工を任せた。しかし、その後トラブルが続き、最終的に弁護士案件になってしまった」
経緯を簡単にまとめると、
- ① あるお店でプロテクションフィルムを施工(ボディー全体で130万円超という高額な施工)
- ② 施工から1カ月もたたないうちに、あちこちが浮いてきた
- ③ やり直しを依頼しようとしたが、お客様の不注意で車をぶつけてしまった
- ④ 板金修理と併せて、不具合箇所の手直しも依頼
- ⑤ お店から「当社は板金から貼り直しまで一貫して対応できますから安心してください」と言われ、板金もお願いした
- ⑥ 板金修理の結果に違和感があり、もう一度やり直しを依頼したが「できません」と拒否された
- ⑦ 事故と関係ない部分の手直しもしてくれず、板金修理部分へのプロテクションフィルム再施工もしてくれないまま車を返された
- ⑧ さらに「今後は入庫拒否します」と通知され、一方的に出禁にされた
- ⑨ 最終的に弁護士案件になってしまった
という流れでした。
【問題点】130万円超も支払ったのに、何一つ責任を取らない
この事例で最も問題なのは、130万円超という高額な施工費を支払ったにもかかわらず、不具合に対して一切責任を取らないという点です。
具体的には、
- 施工後1カ月もたたないうちに浮いてきた不具合:当初「いつでも手直しする」と言っていたのに、一度も対応してもらえなかった
- 板金修理の品質問題:左右で形が大きく違う状態で返されたが、再修理を拒否された
- 一方的な出禁通知:板金とは全く関係のない、プロテクションフィルムの不具合対応も拒否され、出禁にされた
130万円も支払ったのに、不具合が出ても「手直しをしない」「再修理をしない」「出禁にする」という対応は、「合法的詐欺の会社か?」と疑いたくなるレベルです。
このトラブルの詳しい内容は、当店のブログでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
【回避ポイント】
このトラブルを回避するには、以下のポイントをチェックしてください:
- 不具合時の対応方針が明確か:保証内容(期間・対象・条件)が明記されているか、万が一不具合が出たときの連絡窓口・フローがはっきりしているか
- 「いつでも手直し」という言葉の真偽:口約束だけでなく、保証内容が契約書や見積書に明記されているか
- 施工事例・口コミ・ビフォーアフター写真が豊富か:公式サイトやSNSで、施工事例や写真がきちんと公開されているか。「いい話」だけでなく、リペア事例やトラブル対応の実績も正直に発信しているか
- 高額な施工ほど慎重に:130万円超という高額な施工の場合、特に慎重に選ぶ必要があります。複数店舗で見積もりを取る、保証内容を詳しく確認する、口コミを徹底的に調べるなど、事前の調査が重要です
トラブル③:効果検証されていないフィルムの劣化|6年後にひび割れ・糊露出で剥がせなくなった

【実際の相談内容】
「約6年前にヘッドライトにプロテクションフィルムを貼ってもらったが、最近フィルムがおかしくなってきたので貼り替えてほしい」
これは、当店が実際に経験したトラブル事例です。約10年ぐらい前、ディテーリング業界で有名なFという材料販売会社から「ヘッドライトプロテクションフィルム」という新製品案内が各店舗へ配られ、爆発的にコーティング店やフィルム店が取り入れました。
当店でもその流れに乗って、「キュアテクトナノ」という名前のプロテクションフィルムを採用し、何台かにヘッドライトやドアカップへ施工をさせていただきました。当時の商品説明が「ヘッドライトが黄ばまない、白ボケない」という内容だったので、自信をもってお勧めしていました。
【6年後の現実】まさかの劣化状態
それから約6年経過したころ、当時ヘッドライトに貼ったスバルWRXと、その後日に日産FUGAの2台が「そろそろフィルムがおかしくなってきたので貼り替えてほしい」と入庫されました。
その2台ともが、なんとフィルムがひび割れ、糊が露出し、フィルムが細切れになって全く剥がせないような状況に陥ってしまっていました。

プロテクションフィルムは、本来「剥がすときも塗装を傷つけない」ことが大前提です。しかし、このフィルムは劣化が進みすぎて、剥がすこと自体が不可能な状態になっていました。
結果、当社でかけていた賠償保険を使ってヘッドライト交換をさせていただきました。お客様には本当にご迷惑をおかけしました。
それをきっかけに、「絶対に効果検証がされていないプロテクションフィルムを二度と使わない!」と強く心に決めました。
当社が正式採用しているXPEL(エクスペル)は、実際に施工から15年経過したお車の剥がし作業を担当したことがあります。多少の糊残りがあれど、問題なく剥がせたこと、そしてなにより剥がした跡の塗装はしっかり美しいまま維持されていたことを目の当たりにしたので、安心して正式採用しているという状況です。
【回避ポイント】
このトラブルを回避するには、以下のポイントをチェックしてください:
- フィルムのブランドと実績を確認:長期的な実績があるブランド(XPEL、STEKなど)を採用しているか。10年以上の実績があるか
- メーカー保証の有無:メーカーが10年保証を提供しているか(XPELは10年保証を提供)
- 施工店の採用実績:その施工店が、どのブランドをどれくらいの期間採用しているか。新製品をすぐに採用する店舗は要注意
- 「黄ばまない」「白ボケない」という宣伝文句に注意:効果検証が不十分な新製品は、長期的な劣化リスクがあります。実績のあるブランドを選ぶことが重要
問題の背景と「プレカット/アフターカット」の現実
「そもそも、なぜボディーの上からカッターを当てるようなリスクのあるやり方をするの?」と思われた方も多いと思います。
その背景には、次のような事情があります。
・コンピューターカット(プレカット)で使用する車種別データのソフト使用料(月額)が高い
・プレカットマシン本体も高額(1台100万円以上かかることもある)
プロテクションフィルムの施工が頻繁に入るお店であれば、こうした設備投資も回収できますが、
「たまにしかプロテクションフィルムの仕事が入らないお店」の場合、ソフト使用料だけでも赤字になってしまうことがあります。
その結果、
・プレカットの設備は導入せず、ハンドカット(アフターカット)で対応する
・練習や検証が十分でないまま、いきなりお客様の車で本番施工をしてしまう
という状況が生まれてしまっているのです。
もちろん、だからと言って「お客様の大切な愛車にキズを入れて良い理由」には一切なりません。
ハンドカットを選択する以上、徹底した訓練・検証・リスク管理は避けて通れないはずです。
後悔しないための施工店選び|チェックしたい回避ポイント
ここまで読んでいただいた方は、「結局、どんなお店なら安心して任せられるの?」と感じているかもしれません。
最後に、プロテクションフィルム施工店を選ぶ際に、口コミとあわせてチェックしてほしいポイントをまとめます。
■ ① プレカット(コンピューターカット)に対応しているか
・車種別データを使ったプレカット施工が可能か
・どの部分までプレカットで対応しているか(ヘッドライトのみ/ボディー全般など)
■ ② アフターカットの考え方やリスク説明があるか
・やむを得ずハンドカットが必要な場合、その理由やリスクをきちんと説明してくれるか
・練習用パネルなどで検証しているか、施工実績やテストの話が聞けるか
■ ③ 施工事例・口コミ・ビフォーアフター写真が豊富か
・公式サイトやSNSで、施工事例や写真がきちんと公開されているか
・「いい話」だけでなく、リペア事例やトラブル対応の実績も正直に発信しているか
■ ④ 不具合時の対応方針が明確か
・保証内容(期間・対象・条件)が明記されているか
・万が一不具合が出たときの連絡窓口・フローがはっきりしているか
・相談しやすい雰囲気かどうか(最初の問い合わせの時点である程度分かります)
これらのポイントは、公式サイトの情報+実際に問い合わせてみたときの対応でかなり見えてきます。
少し手間はかかりますが、数万円〜数十万円の施工を任せる相手としては、絶対に確認しておきたいところです。
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